「特定建築物定期調査、12条点検とは何ですか?」と沢山の問い合わせを頂いてます。
法的文言は難しいですよね。簡単に概要だけ書かせて頂きます。
建築基準法には8条維持保全という条文があります。
1.建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
・建物に関係する全ての人(所有者・管理者・賃借人)は建物・設備を常にメンテナスして維持保全する努力義務。
※上記は努力義務であり、罰則はない。
昨今、多くの人が利用する建物、映画館、病院、デパート、ホテル等の
施設では、建物の老朽化や避難設備の維持保全不備、火災関係の建築設備の作動不良などにより、大事故が発生して多くの方が亡くなる残念なニュースを目にすることがあります。
事故を未然に防ぎ、建物の安全性、適法性を確保するために行われるのが特定建築物定期調査・報告です。
2.【建築基準法第12条第1項、第3項(定期報告制度)】
多くの人が利用する建物・施設※について、所有者・管理者は、専門技術を有する資格者に定期的に調査・検査し、結果を役所(特定行政庁)に書類を提出することが義務付けられている。
※建物の規模(用途、建物の高さ、延べ床面積)で該当物件か決まります。
3.【建築基準法第101条(罰則規定)】
12条の定期調査には調査・検査・報告書提出が未実施の場合は罰則があります。
建築基準法によって建物の維持管理・定期報告制度が定められており、報告をしない、または虚偽の報告をした者は、100万円以下の罰金に処されることが定められています。
4.調査、検査は有資格者がする
12条点検調査をするには資格を有する者が必須で1・2級建築士、特定建築物調査員、建築設備検査員、昇降機等検査員が行うことができます。
有資格者は調査の内容・方法・報告書の作成等を理解していますのでしっかりとした検査、点検データを取得できます。
当然ですが、資格保持者でも調査実績や経験値が一番重要です。
報告書提出後に不具合箇所、危険個所を見落としてしまったことで、調査後間もなく外壁剥落や漏水等の事故を発生させては調査・報告の意味がありません!
義務付けれらている理由を軽んじてしまうと大きな事故の加害者となる可能性になります。